製造業とは・・。
僕が16年間一生懸命やってきた製造業。
手間を提供し対価を得ることです。
布団カバーを作るには、
生地を巾1.5m、丈2mに裁断します。
2枚の布にファスナーを付けます。
ロックミシンで周りを縫います。
ひっくり返して出来上がり。
キレイにたたんでビニール袋に入れて出来上がり!
1枚、300円前後の仕事です。
ぶっちゃけそんなもんです。
この作業を朝から晩まで果てしなく繰り返します。
文句を言ってるのではないです。
現実を書いてるだけですから・・。
生地の質や柄が変わってもやることはほぼいっしょです。
北欧デザインも、高級麻素材も、ディズニーも・・、
ぜーんぶやることは同じ。
同じ人がファスナーを付けて、
同じ人がロックミシンで周りを縫う。
働いている人はみんないい人ばかりです。
それぞれの家族のために頑張って働いてくれていました。
製品の行き先は、
量販店、通販カタログ、インテリアショップ、寝装品の問屋さんなどです。
多い月には20000枚ぐらい生産します。
各お店ではそれぞれの購入層に合わせたデザインや素材を、
それぞれのバイヤーが僕達のような工場に発注するわけです。
その年の流行りの柄や色、素材を提案し、
それを元にデザイナーがデザインする。
売れそうなものを、売れそうな数を予想し発注します。
売れそうな値段も彼らが決めます。
誰かの頭の中で考えられたコトをそのまま形にするのが、
僕達、製造業者の仕事です。
売れそうな値段に納めるには・・。
限られたコストの中でいかに利益を残しながら・・。
とどの詰まり・・工賃の圧縮です。
一昔前は違ったんです。
人件費は幾ら。材料費は幾ら。利益は幾ら。
それが認められた時代はちゃんと守られていたんです。
積み上げたコストが彼らの製造コストです。
いつからか、「売れそうな値段」が先に来て、
製造コストはここまで!みたいなことになってしまった・・。
日本中の製造業者はこのスパイラルの中でもがき苦しんできたし、
今も苦しみ続けています。
どうすればここから抜け出せるのだろう!?
もっと極端な言い方をします。
自分の価値が正当に評価されてないんですよ。
30万給料もらってた人が、
ある日「今日から20万ね!」って言われたら困りませんか?
工賃が300円から200円に下がるってそういうことなんです。
日本のものづくりの現場では現実それがあったんです。
働けど働けど我が暮らし楽にならず。
ものを作ってるだけじゃダメ。
価値を生み出し届けなきゃ・・。
くどいようですが、このブログは
3年前の僕と同じように、
「ものづくり」という言葉に取り憑かれて、
動けない人たちへのメッセージです。
動こうとしない人たちへのメッセージなのです。
心地よい響きですよね、ものづくり。
この言葉さえ言っていれば「なんとかなりそうな言葉」です。
そう言っていればなにか救われる感じがするんです。
動かない(動けない)自分への言い訳です。
家族を路頭に惑わすことになるかも知れないのに・・。
一歩です。
何か自分を変えるために一歩。
まずはその一歩踏み出してみませんか。
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