製造業とは・・。

シャア

2012年02月08日 14:18

僕が16年間一生懸命やってきた製造業。

手間を提供し対価を得ることです。


布団カバーを作るには、

生地を巾1.5m、丈2mに裁断します。

2枚の布にファスナーを付けます。

ロックミシンで周りを縫います。

ひっくり返して出来上がり。

キレイにたたんでビニール袋に入れて出来上がり!

1枚、300円前後の仕事です。

ぶっちゃけそんなもんです。


この作業を朝から晩まで果てしなく繰り返します。
文句を言ってるのではないです。

現実を書いてるだけですから・・。


生地の質や柄が変わってもやることはほぼいっしょです。

北欧デザインも、高級麻素材も、ディズニーも・・、
ぜーんぶやることは同じ。

同じ人がファスナーを付けて、
同じ人がロックミシンで周りを縫う。


働いている人はみんないい人ばかりです。
それぞれの家族のために頑張って働いてくれていました。


製品の行き先は、

量販店、通販カタログ、インテリアショップ、寝装品の問屋さんなどです。

多い月には20000枚ぐらい生産します。


各お店ではそれぞれの購入層に合わせたデザインや素材を、
それぞれのバイヤーが僕達のような工場に発注するわけです。


その年の流行りの柄や色、素材を提案し、
それを元にデザイナーがデザインする。


売れそうなものを、売れそうな数を予想し発注します。
売れそうな値段も彼らが決めます。

誰かの頭の中で考えられたコトをそのまま形にするのが、
僕達、製造業者の仕事です。


売れそうな値段に納めるには・・。



限られたコストの中でいかに利益を残しながら・・。
とどの詰まり・・工賃の圧縮です。


一昔前は違ったんです。

人件費は幾ら。材料費は幾ら。利益は幾ら。
それが認められた時代はちゃんと守られていたんです。


積み上げたコストが彼らの製造コストです。


いつからか、「売れそうな値段」が先に来て、
製造コストはここまで!みたいなことになってしまった・・。


日本中の製造業者はこのスパイラルの中でもがき苦しんできたし、
今も苦しみ続けています。


どうすればここから抜け出せるのだろう!?


もっと極端な言い方をします。

自分の価値が正当に評価されてないんですよ。


30万給料もらってた人が、
ある日「今日から20万ね!」って言われたら困りませんか?


工賃が300円から200円に下がるってそういうことなんです。
日本のものづくりの現場では現実それがあったんです。


働けど働けど我が暮らし楽にならず。


ものを作ってるだけじゃダメ。
価値を生み出し届けなきゃ・・。


くどいようですが、このブログは
3年前の僕と同じように、
「ものづくり」という言葉に取り憑かれて、
動けない人たちへのメッセージです。
動こうとしない人たちへのメッセージなのです。


心地よい響きですよね、ものづくり。

この言葉さえ言っていれば「なんとかなりそうな言葉」です。
そう言っていればなにか救われる感じがするんです。

動かない(動けない)自分への言い訳です。

家族を路頭に惑わすことになるかも知れないのに・・。


一歩です。

何か自分を変えるために一歩。
まずはその一歩踏み出してみませんか。


関連記事